ぷかしりまる

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-のぷかしりまるのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

息が止まるほどの緊張感。音へのこだわり・脱獄ハウツー・密告の心配、ジャックベッケル『穴』で観た❗️と思ったらこっちが先だった。今作は個人作業のクワイエットプレイスだけど、『穴』だと協力プレイで爆音出したり、2段乗り神回避したりしててエンタメ寄りな気がする。
一対一で看守を殺すところとか、タイミングを見計らい尻込みする様子が丹念に描かれているけれど、決意を固めて素早く実行するところ(暴力的な場面を直接見せなくて、殺しが見世物になってないから)好きだった。何十にも重ねられた思考とあまりにも素早い実行。
レジスタンスのたんなる被害者・犠牲者に留まらない抵抗の姿勢、誰もができることではないし少数の成功例なのかもしれないけど、主人公の姿は希望そのものだった。
音、それは鍵で鉄の手すりをカラカラと叩くものであり、機関車が通り過ぎるものであり、砂利を踏むものであり、そのさりげないひとつひとつに意味があった。

なんかレビュー全然上手く書けない!ウワァー

追記
こないだ先生に「ロベールブレッソンを初めて観た時、心理描写とか色々削ぎ落としててびっくりしました!」って話をしたら、フローベールっぽいよね〜と返された。フローベールの文体は推敲の末に贅肉を削ぎ落とされ芸術の領域に高められているが、削ぎ落としすぎて原文が意味不な表現になってる部分もあるらしい。フローベールっぽいって、なんか分かるかも。