櫻イミト

真昼の暴動の櫻イミトのレビュー・感想・評価

真昼の暴動(1947年製作の映画)
3.5
脱獄映画というジャンルの草分け的な一本。バート・ランカスターの初主演作(デビュー2作目)。「裸の町」(1948)の製作マーク・ヘリンジャーとジュールス・ダッシン監督による前作で、当時の刑務所の実態を暴く社会派な一本。原題は「BRUTE FORCE(総当たり攻撃)」

ウェストゲート刑務所を牛耳る冷血な看守長マンジーの横暴下、ジョー・コリンズ(バート・ランカスター)は仲間たちと下水溝からの集団脱走を計画する。。。

中盤まで刑務所内の人間関係と、看守長の囚人たちを使ったスパイ行為や抑圧が丹念に描かれる。終盤20分にブレイク、脱獄当日の模様はかなりの迫力だった。

ジャーナリストからプロデューサーに転じたマーク・ヘリンジャーが各州の刑務所を実地調査して作り上げた作品で社会派の色合い。しかし徹し切れておらず人情要素も織り交ぜているため少々どっちつかずの印象。脱獄映画としては地味だが、ラストの攻防はダッシン監督の演出が冴えて見応えがあった。
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