2019/01/09
DVDレンタルして観賞。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。
さて、今年最初に選んだ映画はまさかの高畑勲監督。
2018年8月に『文春オンライン』にて掲載されていた、鈴木敏夫プロデューサーのインタビューに衝撃を受けた事を思い出し、見直しました。
(この映画を見るにあたってもう一度インタビュー記事も読み直しました)
高畑勲監督の映画って、ジブリ作品の中では"異色"だとずっと思っていた。
その理由が、今回この映画とインタビュー記事ではっきりと分かった。
『現実社会は、悔しいほど理不尽だ』
映画を見終わった後『ハッピーエンドで良かったね』と言える高畑勲監督の作品は、ほぼ無い気がする
(『おもひでぽろぽろ』は別)
それは、高畑勲監督が描こうとしていた事が、
『作品を観ることを通じて、観客が現実への教訓をつかみ取ってくれる物語』
…だからだろう。
この映画も、たぬきたちが人間によって住む場所を勝手に取られてしまった為、人間と戦う。
最初は上手くいく。
でも、最後たぬきたちの悲痛な叫び
『オラたちの住む場所と取らないでくれ』も空しく、多くの犠牲を出し人間に負ける。
仲間は散り散りになり、あんなに嫌いだった人間となって生きていく。
人間に化けれないたぬきは…。
もぅ、見ていて辛くなる。
自分は人間だけど、映画の主人公はたぬき。
人間は悪役。
どちらに共感したら良いのか分からなくなる。
これが宮崎駿作品だったら、
『たぬきたちは新しい楽園を探しに冒険に出る』になるだろう。
ハッピーエンド前提の話になる事間違いなしだ。
それを、高畑勲作品はしない。
大人になって、改めて考えさせられる映画は、見た後『何かしこりが残ってる』ものなのかなっと思った。
因みに、文春オンラインで掲載されていたインタビュー。
鈴木敏夫さんは、立場上プロデューサーだから仕方ないのかもしれないけど。
高畑勲監督の事かなり痛烈に批判してる気がします。
嫌いだったのかな。
それに比例するように、宮崎駿監督の事は一貫して『良い人』と語る。
さて、そんな宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』はいつ公開されるのか…。