幸田露伴の原作に接近できたことがなによりもよかった。しかし原作のモデルとなった谷中の五重塔は、江戸の建立から二十世紀も関東大震災と東京大空襲という災厄を奇蹟的に無傷で乗り越えたにもかかわらず、195…
>>続きを読む原作に忠実だが、塔の着工までと完成後の暴風雨に尺を割いており、建設中の棟梁と十兵衛のやり取りはほとんどないので、あっけなく塔が完成したような印象を受ける。棟梁,十兵衛の心理はあまり深く踏み込んでいな…
>>続きを読む空襲下の京都で撮ったという70分にも満たないコンパクトな小品だがすごく好き。五重塔建立の話を聞くや、その大仕事を請け負うことに強迫的に囚われる宮大工・花柳章太郎。競合する親方・ヤング柳永二郎もその熱…
>>続きを読む腕は超一流だが口下手でぶっきらぼうな大工の主人公(花柳)と彼の師匠で主人公の父親から教えを受けた大工(柳)が、谷中の由緒ある寺の五重塔建設をめぐっての葛藤から協力に至るまでを描いたドラマ。
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妄執にとりつかれた男の愚かさと崇高さ、師弟関係の確執と和解。劇的な展開の連続が60分の短尺に凝縮された濃厚さに痺れた。奥行きを巧みに活用した空間設計、パンによる的確なカメラワークと、五所平之助の演出…
>>続きを読むシゲ(髭)を剃らない下谷のスピリチュアル大工が親方差し置いて作らせてくれと懇願する五重塔のシナガタ(雛型)。やっぱ下谷。ぼんやりみてたからかもしれないけど、師弟関係よりとにかく五重塔に取り憑かれてて…
>>続きを読む☑️『五重塔』(4.0)及び『新道』(2.9+3.0)▶️▶️
映画史に特筆されてる形跡もなく、戦時中のフィルム制限でたかだか1時間の作、クライマックス部分が欠落してるような半端作で…
日本映画専門チャンネルの蔵出し映画のひとつ。昭和19年製作で題名以外は、入っていない。フィルムが貴重だったからという理由だそうだ。新国劇の人々が出て結構見てられるし、内容も師弟関係と意地のぶつかりと…
>>続きを読む花柳章太郎と森赫子のコンビと言えば、溝口の「残菊物語」にとどめを刺すが、この五所平之助の異色作も、一連の芸道物の流れをくむ宮大工職人の師弟関係を美化した力作であるが、名優柳永二郎の演技が際立っていた…
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