東朴幕院

仄暗い水の底からの東朴幕院のレビュー・感想・評価

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)
2.7
鈴木光司氏の原作の映画化。海外からも評価を得ているという事で再見してみた。
鈴木光司氏の『リング』は原作を読んだ時はもう夢中になった。そしてその映画化で主人公を男性新聞記者から女性に変更した事も成功要因だったのではと、Jホラーの礎になったのも事実。

一方で本作は『リング』の派手さは無く、完全に怪談寄りのストーリー。離婚して女の子を抱えて、古い公団に引っ越してくるというシチュエーションとしては、不気味な感じは冒頭から出ていてグッド。
しかしながら、黒木瞳演じる母親のそれは精神的に脆さを抱えているのはそう表現されているのであるが、それに対して着地点がああなのか?という疑問が残ってしまったね。実はただ単に生活に疲れた母親が精神錯乱しただけ、もしくは周囲からそう見られて終わりの方が面白かったかな。
作品のテーマとしては母と娘の絆を描いているのであろう。そうすると子役の演技の酷さがどうにもねぇ。
そして一番気になったのは、黒木瞳の恐怖演技と演出であり、そこに子供の幽霊がいるのだろうけど視線も向けられないタメが長過ぎてオイオイとツッコミを入れたくなる事必至な作りで、やはり中田秀夫監督作品とは相性良くないのかな。
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