ぽち

ジョン・レノン,ニューヨークのぽちのレビュー・感想・評価

4.1
ビートルズ解散後のアメリカでの生活に焦点を当てて、その9年間に起こった事を網羅している真面目なドキュメンタリー。

ジョンという人物を掘り下げると言うより、その当時のジョンの行動や世間の反応などを記録映画のように並べているので、平坦ではあるが、いらない過度な演出や強引な感動の押し付けがなく素直に観る事が出来た。

アウトテイクの珍しい音源などは新しい発見で聴き所。

職人堅実型のポールと対照的な天才破綻型に一層愛着がわいた。
ロスでポールと再会した時の写真は感動してしまった。
ジョンの名言に「ポールの悪口を言っていいのは俺だけだ。他の奴が言うのは許さない」てのがある。実際周りの人にもポールの悪口を言う事を許さなかったそうだ。

ドキュメンタリーだからしょうがないが、名曲をもっと聴かせて欲しかった。それとポールとリンゴのインタビューはぜひ入れて欲しかったな・・・

激動の時代背景の中、どのような生き方をジョンが選んだのか良く分かる作品で、資料としての価値もあり、ビートルズファンは必見だろう。

余談。
今回あらためてジョンやその周りの人のことを調べて、初めて知った事実。
しれっとインタビューに出ていたメイ・パンさん。実はジョンがヨーコと別居していた「失われた週末」時の愛人さんだそうです。どうも本まで出版している有名な話のようだが、知らなかった・・・

で、もっと驚いたのが、メイを愛人としてジョンに同行させたのがヨーコだったこと。これはヨーコ本人も認めている事実だそうだ。

今まであの歌声と芸術家ぶった態度がどうにも好きになれなかったのだが、これを知ってちょっと見方が変わった。
ジョンを家から追い出したが、変な女引っかからないように愛人をあてがい、いずれ戻ってくると大きく構えていたわけだ。
粋な女だね。

ロスで暴れまわっていたときのジョンって、お釈迦様の手のひらで悪戦苦闘してる孫悟空だな。

これもジョンの名言
「人生のうちで2回、すばらしい選択をした。ポールとヨーコだ。」
ぽち

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