ししまる

ニクソンのししまるのレビュー・感想・評価

ニクソン(1995年製作の映画)
3.6
ウォーターゲート事件で任期中に辞任した史上唯一の大統領ニクソンの半生を描く。
3時間11分とかなり長い作品で推測も交えているが、ウォーターゲート事件の背景、大統領辞任の決定打となったホワイトハウス録音テープ問題を含む経緯が体系的によく分かる。
ニクソンはベトナム戦争の終結や訪中、ソ連とのデタント推進のほか、環境保護局 (EPA) 、麻薬取締局 (DEA) の設置など一定の功績もある。本作ではそうしたことにも触れている。全体としては殊更悪者として描いているわけではないが、ポジティブなイメージや指導力があったような印象も与えない。何といってもアンソニー・ホプキンスの怪演がすごく、脇を固めるキャストも渋い。
✅メモ
製作費4400万ドルに対し興行収入1300万ドル。アカデミー賞主演男優賞、助演女優賞、作曲賞、脚本賞4部門ノミネート。
ホプキンスは役作りのためニクソンに関するドキュメンタリー映像を多数見たほか、夜はニクソンの映像を流しながら眠りに就いたという。
ニクソン大統領の法律顧問で、訴追免除と引き換えに上院特別委員会で重要証言を行ったジョン・ディーンは本作について「全体像としては、何が起こったのかを正確に反映している」と語っている。
元CIA長官リチャード・ヘルムズは脚本を読み、制作サイドを訴える構えを見せ、ヘルムズのシーンはすべて削除された(ディレクターズカット版で復活)。
ニクソンは本作公開前の94年に死去しており、一家の声明では映画の一部は「非難すべきもの」とし、ニクソンの私生活や幼少期、カストロ暗殺計画に関する描写を批判している。
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