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次郎物語のkogureawesomeのレビュー・感想・評価

次郎物語(1955年製作の映画)
4.6
ロケがいつも素晴らしく、ロケになると呼吸が変わるような気持ちになる。清水宏の映画を観ると台湾の侯孝賢が撮った『冬冬の夏休み』やイランのアッバス・キアロスタミの撮った『友だちのうちはどこ?』のことを思い出す。こういう映画が好きな人はきっと清水宏の映画を気に入ると思う。
清水映画によく出演していた笠智衆が「清水先生というかたは、小津先生と同じように、一つの独特の風格をもった方でした。ワンカットでも画面を見れば、ああこれは清水先生の映画だ、とわかるくらいのものです。」
「役者が芝居をするのを嫌う方で、『君たちが出てくると景色がコワレるよ、あまり芝居をするな』などと、よく言われました。だから、画面の中で自由に動く子供が、とてもお好きだったのです」

『次郎物語』では、以前観た他の清水宏作品でも問題になっていた
「お母さんと呼ぶ呼ばない問題」がモチーフになっていた。
幼少期を過ごした乳母(望月優子)と、実母(花井蘭子)と継母(木暮実千代)の三人の呼びかたと接し方の変化がストーリーの軸になっていた。
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