ミシンそば

スリープレスのミシンそばのレビュー・感想・評価

スリープレス(2001年製作の映画)
4.0
古き良きアルジェントを楽しめる、銘打たれてある通りの原点回帰作品。
ミステリー色強めで、ゴア描写はあの時のまま、そこにゴブリンの音楽が合わさればそれはもう最強で無敵なんよ。

明らかにアルジェント自身も意識していると邪推できる、「サスペリアPART2」を思わせる作品構造はとても面白い。
(犯人の真相はもちろんの事、歌がヒントになっていたり、「サスペリアPART2」に出てたような洋館がしっかりこの作品にも出てたり)

焼き直しと言えばそれまでだけど、準主役級の元刑事に重鎮マックス・フォン・シドーが出演してるだけあって作品としても非常に締まっている。
(さしものアルジェントも、シドーほどの重鎮に血糊をベッタリ付けることはできなかったようだが、執念を未だ燻ぶらせる元刑事と言うキャラクターとしての役割を全うしていた)。

観終わってから改めて思うと、先述したように「サスペリアPART2」に観られたような作中要素が非常に多いのに、実にジャーロチックなゴア描写と懐かしさによって、自分はすっかり騙された。
(件のキャラのフェードアウトによって、ちょっとだけホッとしたくらいには騙されてた)。