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渡世人のmitakosamaのレビュー・感想・評価

渡世人(1967年製作の映画)
3.3
東映YOUTUBEにて。梅宮タッちゃんが主役となり鶴田浩二が引き立て役を演じた任侠映画だね。世代交代を感じさせる采配だ。

昭和初期、満州への拡大が進む日本で2つの組が対立。状況を憂い馬賊の頭領と話し合いを進める組と、戦争を利用し儲けようとする組。前組にはタッちゃんが代貸し。後組には若山兄ちゃんと鶴田浩二が客人として所属する。
対立する組の間で戦わざるを得なくなるタッちゃんと鶴田という縮図だ。

馬賊の頭領は殺され更に対立が深まる。この後に満州事変に絡む展開かなと思ったら、大陸に関する利権の話はなんとなくフェードアウトする。大陸に関する話が後半もう少し絡めば更に話が膨らんで良かったのにな。

タッちゃんは襲撃に合った際に相手を殺してしまい5年間服役。その間、妻と身籠った子を守る為に鶴田浩二が家族を連れ上州に逃がしてあげる。
タッちゃんが釈放後に同じく上州に赴き、対立する組との争いに加わる。
女房を守っってくれた鶴田浩二と敵対することになる…という展開だ。

まず、鶴田浩二が病気に蝕まれていることに加え、基本的に客人として立場が弱い。命令とあれば嫌なことも請け負わざるを得ない。こういう役を演じるのはやっぱり珍しいね。

上州ということなのでお祭りのお囃子が国定忠次を歌ってるね。

ラスト近くで鶴田浩二のいうセリフ「ヤクザものの行く末は赤い着物か白い着物だ」というもの。
赤い着物は服役中の囚人服、白い着物は死に装束ということだろう。それは良いが、中盤でタッちゃんが服役中に来てる着物が赤じゃなくて青なんだよな(笑)そこは前フリとして統一させなさいよ。
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