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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼けのiheugoのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

甥の満男の入学式、「あなた寅さん甥っこさん?と先生が言うと、子供たち親たちがどっと笑ったの。それが悔しくて」とさくらが泣きながら話す。工場の社長「総理大臣の甥っこって言ったら笑うわけないよ、寅さんだからだよ。」怒った寅は家を出ていく。「お兄ちゃんは、嘘ついたり騙したり、人に指差されることは何もしていないのよ。総理大臣だって、お兄ちゃんだって同じ人間だって博さんも言ってるわよ、だから帰ってきてお兄ちゃん」とさくらが電話で頼む。「わかったよさくら、お前がそこまで言うなら帰るよ。ただ飲んでるからすぐってわけにはいかないぞ」

上野の焼き鳥屋、身なりの汚い老人が無銭飲食で警察に突き出されそうになるところ、寅が代わりに支払い、家にまで泊めてあげる。そのおじいさんのことを嫁にいじめられ、家に居づらく息抜きで羽を伸ばしていると勝手に想像していた寅だったが、実際にはそのおじいさんは日本画の巨匠だった。

とらやにお礼を渡すため、画用紙に絵を描いて寅に売りにいかせると、ちゃちゃっと描いた絵が大金で売れたことに寅は驚いた。その先生が巨匠だと気づいたとらや一同だったが、その時既に先生は出て行っていた。

兵庫県たつの市で、先生と偶然再会する寅、先生と仲が良いということで寅も先生に間違われて接待を受ける。

夜の宴会で仲良くなった牡丹という芸者が寅を訪ねて柴又にやってくる。男に騙されて大金を取られてしまった。お金を取り返そうと、工場の社長も一緒になって交渉したが、相手はずる賢くお金を取り返すことは出来なかった。法律は金持ちの味方をして、貧乏人には冷たい。

寅は犯罪者になる覚悟でその男と戦おうとするが、その気持ちが嬉しいと牡丹は喜ぶ。

寅は先生に、絵を描いてもらい、それを売って牡丹に持たせてあげたい、こないだはちゃっちゃっと描いて7万円だから、もっと丁寧に色付けて描けばもっと高く売れるはず。だから描いて欲しいとお願いしに行くが先生はそれを断る。お金の為に描いたことは無い。ちゃちゃっとなんて描けるもんじゃない。汗水垂らして働いて稼いだお金を取られてしまった牡丹を可哀想だと思わないのか、寅は先生にも怒りをぶつける。

寅が再び、牡丹に会いに行くと、そこには綺麗な赤で描かれた牡丹の絵があった。その絵を売れば、お金になると言われたが、私絶対売らないんだから。

牡丹が柴又に来たとき、工場の社長は牡丹に工場の飲み会にも参加して欲しい、あいつら田舎もんだから芸者さんなんて見たこと無いから見せてあげたいとお願いをする。かつてたつの市の様に日本全国の地方に芸者さんがいて、お金持ちだけが味わうことが出来たのだろうか。芸者がなぜ地方からいなくなったのか、仕事が東京への一極集中が原因か、もしくは他に理由があるのか気になる。
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