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幸福(しあわせ)のtackyのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
3.7
「幸福」と書いて、「しあわせ」と読む。
この男の「しあわせ」は、妻にとっても「しあわせ」では無かった。

暖かい日差し溢れる森の日曜日、今日は「父の日」である。夫婦愛し合い、可愛い男の子と女の子の四人家族。
そこへモーツァルトのけたたましい音楽が流れて、これから何か起こるのか不安になる。凄い冒頭だ。

ラスト、同じ森の「しあわせ」な四人家族に繋がるが、その妻は代わっている。
何も無かったような最後が、とても恐ろしい。
初見の時、のほほんと観ていたが、残り20分。ただの不倫映画だと思っていたら、夫の告白から直ぐに驚愕の展開、そしておぞましいラストに、衝撃を受けたのを覚えている。

今回再見してみて、
黄色の使い方から、青色との対比の映像。
街角のポスターなどの文字の意味深な事。
クルクル踊るダンスの不気味さ。
所々に挿入されるモンタージュ映像。
流石に「ヌーベルヴァーグの祖母」と呼ばれた、女流監督だと思った。
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