「男なんてみんな同じ」
兎にも角にも田中絹代のための
映画であることは間違いなさそうだが
他の女優二人も健闘している。
(高橋洋子のエピソードで
ちゃんと一人だけ本当に好きで
懇ろになれた男がいたのは
ちょっとだけ救われた気にはなった)
社会派と言われる熊井啓らしい
作品で
確かに力強い作品だとは
思うものの
夫と出会って息子を産んで
みたいなその辺りのエピソードは
語られなかったのか
語りたくなかったのか
敢えてなのか分からないけど
意外とサラッとな感じで済まされたり
しっかし
掻き入れどきの喧騒はすごい
あの人数を1日で相手にするって
想像するだけで気が狂いそう。
貧しさは罪なのか
生まれてきた意味ってなんなのか。
「あたしの家に泊まってくれて
お昼寝してくれてありがとう」
なんてたったそれだけの
優しさや温もりでさえ
与えられてこなかった人生に
価値がなかったなんてことは
誰にも言えないだろう