てぃだ

サンダカン八番娼館 望郷のてぃだのレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
3.7
「男なんてみんな同じ」

兎にも角にも田中絹代のための
映画であることは間違いなさそうだが
他の女優二人も健闘している。
(高橋洋子のエピソードで
ちゃんと一人だけ本当に好きで
懇ろになれた男がいたのは
ちょっとだけ救われた気にはなった)

社会派と言われる熊井啓らしい
作品で
確かに力強い作品だとは
思うものの

夫と出会って息子を産んで
みたいなその辺りのエピソードは
語られなかったのか
語りたくなかったのか
敢えてなのか分からないけど
意外とサラッとな感じで済まされたり

しっかし
掻き入れどきの喧騒はすごい
あの人数を1日で相手にするって
想像するだけで気が狂いそう。

貧しさは罪なのか
生まれてきた意味ってなんなのか。

「あたしの家に泊まってくれて
お昼寝してくれてありがとう」

なんてたったそれだけの
優しさや温もりでさえ
与えられてこなかった人生に
価値がなかったなんてことは
誰にも言えないだろう
てぃだ

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