かつてヴォーカルグループで人気を得たヴィンス(アーマンド・アサンテ)は50歳を迎え、病気の娘を心配し、過去の苦い思い出を抱えて暮らしていた。そんなヴィンスが看護師ジョアン(ダイアン・ヴェノーラ)と付き合い始め、かつての仲間たちと再会して、少しずつ変わり始める。
「ニューヨークの恋人」のマーティン・デヴィッドソン監督作品。
なんともユルい映画だった。良くも悪くも。
ヴィンスは家族に囲まれ、仲間たちに愛されてるし、過去の歌に対するトラウマはなんとも中途半端。
ヴィンスの恋愛に音楽愛、家族への想いの描き方が散発的で、ストーリーがイマイチ面白くなかった。
ただ、流れ続けるドゥーワップに心地よいオールディーズが素晴らしいし、病気のティナを囲む家族の姿には涙が出た。
それに、息子アンソニーとの会話やジョアンとのやり取りは可愛かった。
「殺したいほど愛されて」「ジャッジ・ドレッド」のアーマンド・アサンテのパフォーマンスには驚いたし、アンソニー役のエドアルド・バレリーニの歌も良かった。
特に、ジョアン役のダイアン・ヴェノーラにはいい意味で驚かされた。
「ヒート」でのアル・パチーノの妻役イメージが強かったけど、優しくて、はっきりものを言うジョアンは魅力的。ビリヤードの場面なんかめちゃカッコいい!