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恋におちたシェイクスピアのタキのネタバレレビュー・内容・結末

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

「ロミオとジュリエット」と「十二夜」をモチーフに作者であるシェイクスピアを主役に据えたラブロマンスという面白い仕立て。当時イギリスでは男性しか舞台に立てない決まりがあって女性の役は男性が女装して行うことになっていた。この物語自体がジェンダーのねじれをうまく利用したシェイクスピア作の劇中劇のようだ。バレぬ男装に出来過ぎな展開もそう思えば楽しい。悲恋で終わる2人の恋はシェイクスピアが難破から始まるヴァイオラの物語を夢想することで救われる。それが女王からオーダーされた喜劇「十二夜」(※双子のきょうだいであるヴァイオラとセバスチャンが船の難破で離ればなれになってしまったことから始まるシェイクスピアの喜劇。ヴァイオラは少年に変装するが、自分が仕えているオーシーノ公爵に恋をしてしまう。オーシーノは伯爵家の令嬢オリヴィアに恋をしているが、オリヴィアはヴァイオラを男だと思い込んで思いを寄せるようになってしまう)につながっていくとは、しみじみと上手い。シェイクスピア作品や同時代の劇作家クリストファー・マーロー、残忍な少年ウェブスターなど実在した人物を知っているとより楽しめるので、チラッとでも予習がオススメ。
冒頭にバーンとでてくるミラマックスとグウィネス・パルトローでウググとなるところは確かにある。この場合作品に罪はないと言い切れるかどうか、私自身結論はまだでないでいる。
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