黒澤明『生きる』と双璧を成す1作。
監督のアレクサンダー・ペインは言わずと知れた小津安二郎、黒澤明の熱狂的なフリークで、本作でも“小津調”が取り入れられています。アレクンダー・ペインは私が最も好きなアメリカ人監督の一人です。
すべての描写に嘘偽りがなく、ここまで定年退職者のその後を繊細にリアルにユーモラスに描いた映画はなかなかない。
個人的にはこの等身大の爺さんを演じたジャック・ニコルソンは『カッコーの巣の上で』や『シャイニング』を上回るベストアクトだと思う。
感動的なジーンとくるシーンとシュールな笑いの緩急が凄まじい。流石にキャシー・ベイツとジャック・ニコルソンのヌード&混浴シーンはえげつなかったですけど(笑)
個人的に最もグッときたシーンは、“妻にオシッコは常に便座に座ってしなさい”と言われていたジャック・ニコルソンが妻の死後に初めてオシッコを立ってするシーン(笑)可笑しなシーンかもしれないけどリアルだな~あるあるだな~とグッときてしまった。
その他にもグッとくる名シーン、名言の連発でこれほどまでに人生の悲喜こもごもを感じ取れる映画は久々に観た。