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ウルトラヴァイオレットのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ウルトラヴァイオレット(2006年製作の映画)
3.2
これ、日本のアニメが原案なのか。
2〜3回観てる気がするけど、初めて知った。

この時期、この手のアクロバットな女性が活躍するSFアクション映画が流行ってた気がする。『イーオンフラックス』とか『アンダーワールド』とか。

この監督、『リベリオン』の監督。
ガンアクションと武術を取り入れた“ガン・カタ”なるアクション。今回はそれに新体操の要素も取り入れてるらしい。

だから、より身軽でしなやかでアクロバットな印象。ちょっと『マトリックス』のネオの身のこなしに近い。

それを演じるのがミラジョヴォヴィッチ、“ヴァイオレット”。しなやかで勇敢なスーパーウーマン。

彼女はこのウィルスで汚染されたことがキッカケで格差社会が生まれた近未来の世界で、世界を牛耳る医療機関に対し、開発されたとされる兵器の奪還と破壊を命じられる。

その兵器で滅亡させられるのは“ファージ”と呼ばれるウィルスが感染したとされる下層の市民。普通の人類からは根絶やしにされそうになってる。

しかし、その“ファージ”はウィルス感染で余命が著しく短くなる代わりに恐るべき身体能力を身に付ける。そして普通の人類に抵抗をしている。

その1人が“ヴァイオレット”。
彼女はその兵器の奪還を果たすが、、、その兵器はなんと“子供”。生きてる子供。“シックス”と呼ばれるその子供には“ファージ”のウィルスどころか命を奪う抗体を持っているらしい。

この事実に直面した“ヴァイオレット”がその子供と共に“ファージ”の根絶を願う大きな脅威とも戦い、今までの味方とも違う方向に向かう、、、。

スーパーウーマンの彼女でも流石に子供を守りながら相手をするには余りにも大きすぎる力。
それでも、いつしかかつての“自分の過去”とも思いを重ね、“シックス”と希望に向かおうとする。

この頃の映像技術の発展途上感はなかなかこれはこれで今に通ずる試行錯誤を感じる。

ミラジョヴォヴィッチも、シャーリーズセロンも、ケイトベッキンセールも。
信じられないほどの透明感と純白さとしなやかさがあるが、それもまた映像技術の賜物と思うと残念なような、驚きのような。

本作では、スタイリッシュな造形と、代わる代わる変化する色彩豊かな鮮やかな色調、機敏だけどどこか舞のようなアクションや演出が見どころ。

本編もすごく短い。90分もない。このコンパクトさで走り抜けたのはスゴい。
だけどその分、最初から最後までトップスピード。

なぜなら、“ヴァイオレット”も“ファージ”であり、残りの余命もいくばくかの状態だから。

手加減なしのスピーディな展開。
次から次へと彼女の前に邪魔が入ったり、試練があったり、苦難が襲う。

あれよあれよと確信に辿り着き、気付くと問題が解決してる感じ。最後はちょっと『ターミネーター』っぽい終わり方だし。

スピーディ過ぎて、振り落とされないように注意すべし。


F:1893
M:6305
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