フライ

インドシナのフライのレビュー・感想・評価

インドシナ(1992年製作の映画)
3.9
ベトナムがフランスの植民地時代インドシナと呼ばれていた頃、時代の潮流に翻弄されながら、苦しみ葛藤しながら生きる男女と、植民地支配からの独立を描いた壮大なストーリー。
美しかったカトリーヌ・ドヌーヴが円熟を増した頃の作品であり、内容との相乗効果もあり色々な意味で彼女の迫力と哀愁を感じた作品。
フランスからの独立に揺れるインドシナにおいてゴムの大農園を所有するフランス人女性エリアーヌとインドシナ皇女で養子の娘カミーユ、フランス人海軍士官ジャン=バティストとの恋と葛藤を描いたストーリーは余りにも切なく悲しい内容に、ベトナムが歩んだ悲惨な歴史と、フランスの暗部を見た気がした。
最後の辛い終わり方はとても悲しく感じたが、王政から独立したフランスが、王政や特権階級を利用しベトナムを植民地とした皮肉とも思える部分と、フランスからの独立とカミーユが歩んだ辛い道が重なるのが、とても複雑な気持ちにさせられた。
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