このレビューはネタバレを含みます
★久々再鑑賞
ほぼ全員演技が棒なのが残念だが映画としては面白い
原作は読んだ事が無いので映画の感想
邦画の残念ポイント
俳優陣の演技力
コレがもう少しマシで有ったらスコアを上げたい位個人的には好きな映画
こんな言い方して申し訳無いが以下個人的に演技がマシだと思った俳優陣
・棒演技が逆に怖いキタノ
北野武に関しては後の俳優監督業での活躍を考えるとわざと棒演技をした可能性も考えられる
「アウトレイジ」シリーズ2本位しか観た事が無いから何とも言えないけど
只正直個人的には「アウトレイジ」も似た様な演技をしている印象なので真意のほどは謎
今作では無表情で棒に喋る演技がハマっていた
・藤原竜也が藤原竜也
昨今の日本の俳優陣で考えると頑張ってる方だと思う
北野武同様どれも同じ演技に見えるとは言え「藤原竜也は藤原竜也」と言う妙なキャラを確立してるので個人的に好き
彼が主演する映画は大体鑑賞してるがどれも同じ演技に見えるっちゃ見えるけど
藤原竜也だから面白いと思える不思議
・まさかのメロリンキュー山本太郎
芸能界を去ってしまいすっかり政治家の印象が強い山本太郎だが彼の演技力は中々凄いと思う
「カイジ」の船井役もお見事でした
演じたキャラクターも悪い奴に見えて実は良い奴と言う美味しい所
ラストでも良い奴のまま死ぬのが可哀想で有った
・喋らない安藤政信
喋らないイケメンが黙々と殺戮を行うシーンは恐怖
逆に台詞が有ったら破綻しそうな役柄で有った
・ハッキングする塚本高史
助かりたい一心で冷や汗を流しながら黙々とPCに向かう姿は中々緊張感が有って良かった
・美人だから成立した不気味さ柴咲コウ
個人的には「ガリレオ」の印象が強い俳優さん
未だ若いからか演技は？で有ったが顔面の美しさと狂気が相まってギリ映画で映えた感じです
★話が面白いので凄い演技力の人達でリメイクしてくれないかなあ
舞台が某アジア圏内の国となってるみたいだからハリウッドっでやってもまた変な感じになってしまうのだろうか
日本人が日本で起こしているであろう
「学生達の無慈悲で唐突な殺し合い」
だから絶妙に面白かったのかもしれない
俳優陣の演技力と映像の技術レベルを考えるとやはりハリウッド映画で観てみたい気がするけどもうこの手の映画は既出かな
パッと思いつか無いのがもどかしいけど
★有名なキタノの台詞の破壊力
「今から皆さんに殺し合いをして頂きます」
これは当時からインパクトが有って有名な名台詞
こんな事いきなり淡々と言われたら怖いよなあ
しかも全員中学3年生と言う幼さ
大人と子供の間で揺れる思春期に強制的にぶっ込まれる理不尽な殺し合い
でも突発的で理不尽だからこそ彼らの人間としての本性が観れるのが今作の良い点だと思う
★戦わずして死ぬか他人を殺しても生きたいか
今では「デスゲーム」的な映画は山程転がってるが今作から始まった印象が強い
仲良しな友人が居たり付き合ってる彼氏や彼女が居たり
はたまた虐めを平気で行う奴やイケスカナイ奴も居るのが学校
そんな狭い集団で強いられるデスゲーム
問題は1人しか生き残れない点
相手に対して愛情だろうが嫌悪感だろうがどんな感情を抱いていても
1人しか生き残れない
このルールがある限り自分以外の他者は敵
その時どうする？
コレが非情で有りながらも今作を面白くする要因の一つでも在る
★中年のオバサンでも怖いこの環境でどうするか考える
無理矢理海に身投げして自殺したカップルが可哀想で仕方なかった
あんな風に
「殺し合いなんてしたく無いから自分が死ぬ」
なんていざその局面に立たされた時思うだろうか
老い先短いオバサンでもそんな選択中々出来そうに無い
じゃあ他者を殺して行かないと自分がやられる訳だけど実際出来るのか?
これは想像の域を出ないけど実際そんな環境を強いられたら何をしでかすか解らないのが人間である
ある意味潔く殺し合いをした子達の方が綺麗事を並べる私の様な大人より
より人間らしかったのかもしれない
あくまで映画なので良い悪いは別として
★何とか就きたいと思った唯一のポジション
塚本高史演じる学生達が
「爆発する首輪を外して皆んなで逃げる」
ズルい大人だからそう考えた
何とか誰も殺さず自分も殺されず生きる方法
正確には「首輪」を外した後に学校に居るキタノや部隊を爆弾で殲滅しないと逃げられないので人殺しはするけど
コレが1番マシだと思うのはやはり自分の中のズルさかもしれない
何て考えてしまった
★結局生き残った藤原竜也とヒロイン
しかし2人はキタノを殺した殺人犯として指名手配
死ぬ思いで生き残ってもバトルロワイヤルが合法な世界では結局救いが無い
この絶妙な胸糞さを感じるオチも個人的には好きです
