フライ

僕の大事なコレクションのフライのレビュー・感想・評価

僕の大事なコレクション(2005年製作の映画)
3.9
ユダヤ系アメリカ人のジョナサンが、亡き祖父が昔ウクライナで世話になった女性を探しに行くストーリーは、ユダヤ人迫害を少し変わった側面から描いている上、序盤と終盤での緩急の素晴らしさは、とても心に響く良さがあった。
イライジャ・ウッドが演じるジョナサンは収集癖がある一風変わったキャラだが、イライジャとの雰囲気ともマッチしている上、とてもいい味を醸しているので好感が持てた。
アメリカからウクライナへ祖父の足跡を探しに行くジョナサンの旅は、ウクライナ人でアメリカ好きのアレックスとユダヤ人が嫌いな祖父、少しヤバイ犬と言う妙な組み合わせ。序盤はとにかく偏見と差別、多少のアクシデントをコミカルな展開で見せるのだが、それが中盤から終盤でのシリアス且つ残酷で切ないストーリーを生かす上、衝撃の展開と素敵な終わり方は、作品に一層深みを感じさせてくれた。
第二次世界大戦ナチス・ドイツのユダヤ人迫害をサラッと描いた感じだが、内容はとても重厚で斬新に思えた。同時にウクライナやウクライナ人の偏見みに満ちた内容を見せラストでジョナサンと一緒に足跡を辿る事となったアレックスの変化に感動を覚えたし、良くも悪くも自分の先祖を知る事がとても大切に思えたのが素敵だった。
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