はっぴー

ダークナイトのはっぴーのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.5
ヒーローとして死ぬか、悪に染まって生き延びるか

ノーラン監督のバットマン3部作の2作目。バットマンがジョーカーとの戦いを通じて、暗黒の騎士(ダークナイト)に至る過程を描いた映画。
(追記)2回見てその完成度の高さを実感したので、評価を変えました!

映画全体は、コメディな部分はほぼなく、軽快だけどシリアスな展開がずっと続く。本作もノーラン作品特有の上映時間の長さがあるが(150分)、それでも物語に引き込まれる。それは、ジョーカーという存在と映画の構成にある。この映画の主役は、ジョーカーでいいのではというほどの存在感。悪のカリスマと言われているので、表には出ず裏から部下たちを操っているのかと思いきや、自ら先頭に立って行動していく。いわば、犯罪の先導者ともいえる存在。個人的なお気に入りシーンは、街中でバットポッドに乗るバットマンと対峙するところ。バッドマンとジョーカーの精神的な駆け引きが行われているシーンで、非常に印象に残っている。

↓以下、映画の内容に触れてます
ジョーカーの目的は、人間の本質=醜さを暴き、世界を混乱させること。
アルフレッド曰く、世界が炎に包まれても平気な奴がいて、ジョーカーはその類だと。でも、それは理性で縛られている側だから理解できないのかもしれない。
ジョーカーは次々と選択を市民に突きつけ、市民の心を揺さぶっていく。それは、バットマンも同じ。
最愛の人か友人か、市民の命か自身の正体か
バットマンは揺さぶりに屈しそうになりながらも、アルフレッド、ハービーやジムの協力を経て、最終的にはジョーカーに勝利する。
しかし、ジョーカーはハービーを闇に陥れることに成功し、市民の希望を絶望に変える道筋を成立させてしまう。結果、バットマンはジョーカーの目的を阻止するため、自身を犠牲にせざるおえなくなってしまう。ジョーカーとの対決には勝ったが、勝負はジョーカーの勝利に終わった印象を持った。
協力関係だった3者があのような結末になってしまったのは、見ていてとても辛かった。そして改めて、ジョーカーの底知れぬ怖さを感じた映画だった。
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