はっぴー

インターステラーのはっぴーのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0
愛は、時間や次元を超える

近未来、人口増加と植物の絶滅により、食糧難となった地球。元パイロットで農夫のクーパーは、偶然の出来事により、移住可能な惑星を探す計画への参加を呼びかけられる。最初は行くか迷うが、自身の子供たちの未来を守るため、クーパーは壮大な宇宙の旅に出発する。

映画全体として、話のテンポはゆっくりめ。序盤から早いテンポで話を進める、ノーラン作品では珍しい。だが、前半のシーンが終盤の展開の重要な伏線になっている展開は、さすがノーラン監督といえる。自分が最も印象深かったのは、SFなのにファンタジーな要素があると思ったら、それが科学的に証明されながら伏線回収された点だ。終盤の展開は、最初に観た時には、呆気に取られ、すぐに内容を理解することは難しいかもしれない。でも、鑑賞後自身で映画の考察や現象について調べ、理解を深めることで、この映画の仕組みの凄さを実感することができる。

本作のテーマは、時間。惑星によって重力が異なり、そのため経過する時間も異なるという現象は、観客側もある程度理解していることだと思う。本作では、その現象を最もわかりやすく、かつ最も残酷な描き方をしている。このシーンは、クーパーを演じるマシュー•マコノヒーの演技も相まって、とても悲しいシーンである。また、時間に人間が翻弄されている様子も描かれている。大義をもって計画に参加するが、その現状に絶望し、長い時間の中で間違いを犯してしまう科学者たち。短期間のうちに家族を失った悲しみにより、逆に家族を拘束するようになった兄。この作品では、このような時間によって、自身の生き方を狂わされた人間が描かれている。ただこの描写があることで、生還を諦めないクーパーと父の生存を信じ研究を続ける娘のお互いが持つ愛情が不変的なものであることが、とても強調されているように感じた。

SF映画ならびにノーラン監督作品として、現状個人的に1番好きな映画です!
上映時間は170分と長いですが、映像の壮大さや展開の凄さで、絶対退屈はしない映画だと思ってます👍
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