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望郷子守唄のmhのレビュー・感想・評価

望郷子守唄(1972年製作の映画)
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予告を見てると高倉健のヒット曲が先らしいのだが、歌詞とはあまり関係ないストーリーになっている。
序盤は「拝啓天皇陛下様」と「いれずみ突撃隊」のちゃんぽん。中盤は「悪名」風味、池部良も合流した終盤は実質「昭和残侠伝」。
だんだん任侠ものにシフトしてって、ラストは毎度お馴染みの討ち入りになってしまう。合宿みたいにみんなで寝てるとこ、皆殺しにして普通にどんびく。
多忙な人気コメディアンを起用したコメディリリーフ役はそこだけ浮いてる場合が多いんだけどこの映画の山城新伍は実にいい。
ほかの役者も良くって、テンポも良くって、飽きない作りになってる。ただ、10代もしくは20代の主人公をアラフォー健さんがやるのはさすがにちょっと無理がある。
主人公がもっと若くて、最後を討ち入りにさえしなければすごい名作になっていたかもわからずもったないかった。(スターシステムの東映では土台無理な話なんだけども)
まあ、このあたりのストレスが翌年の「仁義なき戦い」に結実することを思えば仕方ないと割り切るしかない。
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