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ロマンチックアイランドのmaverickのレビュー・感想・評価

ロマンチックアイランド(2008年製作の映画)
3.6
たまには重くなさそうな爽やかな韓国映画が観たいなと思ってチョイス。パッケージからして、南の島でのロマンチックな男女の恋が繰り広げられる話だろうと予想が出来る。でも、甘くうっとりとした恋愛映画というよりは、ほっこりさせられる人間ドラマな感じ。2008年の韓国映画で、昨今の韓国映画のクオリティと比べるとだいぶ緩い作りではある。韓流ドラマの雰囲気によく似ていて、それが好きな層には問題ないだろうが、そうでないと少々辛い。90年代の日本の映画や、トレンディドラマもこんな感じだったなぁ。近年の韓国は映画作りをアメリカで学んだりして、世界レベルの作り手を国が育成している。俳優も世界と比べて遜色ない。『シュリ』、『JSA』、『猟奇的な彼女』など、昔も名作を多数生み出してきた韓国映画だけど、全体的には当時の日本とまだそんなに差がない頃だったんだなと本作を観て思った。この後一気に質が上がった韓国と、そこからさらに質の落ちた日本。こうも立場は変わってしまったんだなと。本作は群像劇形式になっており、3組のカップルが登場する。南の島で偶然出会い恋に発展する2組と、一組の夫婦の物語。序盤はすれ違いによって巻き起こるドタバタコメディで、そこからそれぞれの内面が浮き彫りになってゆく流れ。皆、それぞれに自分の問題を抱えてこの場所へとやって来た。日常から離れて過ごす数日間、ここで体験したことを経て、皆が大きく成長する。実際に南国に行くと身も心も解放されて、心身ともに満ち足りた気分になる。南国でなくとも旅行に行ったりして気分をリフレッシュするのは、とても有意義なことだ。気分が滅入っている時、良くないのは自分の世界にとじ込もってしまうこと。毎日辛くて生きる気力が沸かない人は、休みを取ってどこか景色の良いゆっくり出来る場所へと旅行に行きましょう。仕事で出来ないなら思いきって辞めてでもいいと思う。人生に楽しみを見いだせないくらいなら、それくらいやっちゃうべき。美しい景色を見れば、自分の抱えてる問題なんてちっぽけだと思える。そこで出会う人達は同じような境遇の人かもしれない。旅行先での縁がきっかけで人生良い方へ大きく変わるかもしれない。ちょっと関係ないですが、ちなみに自分も一人旅での列車の中での道中に告白されたことがあります。自分は高校生でしたが、相手はなんと小学校高学年の女の子でした(笑)。おじいちゃんおばあちゃんの田舎から親元まで、子供だけの兄弟での帰省の帰りのようで。列車の廊下で呼び出されて「好きです」と言われて連絡先まで紙に書かれてて。初対面の相手にこの年齢でずいぶん大胆だなーと思ってびっくりしたものですが、微笑ましくて純粋に嬉しくて「ありがとう」と自分も連絡先を書いて交換しました。結局一度も連絡し合うことはなかったけど、淡い想い出です。彼女もそんなことがあったと覚えているのでしょうかね?南の島に旅行に行ったことはないけれど、素敵なロマンスの話は珍しくはないかと。出会いうんぬんに限らず、自分自身のためにも大きな息抜きは必要。本作にはそんな大切さが込められている。キャストは知らない人ばかりだったけど、ヒロインの役の人が序盤では役柄的にかわいく見えないのが、最後のほうでは思いっきりかわいく見えてくるのが良かった。忙しくて旅行に行けない人はとりあえず本作を観てリフレッシュしてはいかがでしょう?
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