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ゆれるの先生のネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

公開当時、結構話題になってた記憶。
見られて良かったが、少しもやる。

オダギリジョーの弟が最後、真実に気づくというが、橋の場面を見ていたなら兄は助けようとしていたのはわかるのでは?バイアスかかってそう見えなかったってこと?そこがちょっと物足りない。

腕の怪我は橋のロープに引っ掛かってかと思ったら爪の傷だった。警察はそこ見なかったのだろうか?爪に皮膚片とか。

真木よう子が若いし、この頃からこういう映画に出ていたのか。

終盤の父親が寒い中洗濯物を干してるシーンの意味がわからなかった。新聞紙?なんで?と思ってたら、ボケてるという意味らしくショック。セリフでもあったが、自分の中では繋がらなかった。
もう一人で暮らせないじゃん。オダギリジョー演じる弟がそこまでほっといたの最悪すぎる。何が兄を取り戻したいだよ。弟の薄さにイラつく。

兄が言ったのはどれも真実で、ずっと父親と暮らしてガソリンスタンドで仕事して町に残る生活にうんざりしていたんだろうなと思う。殺意は一瞬あった。でも助けたかった。助けられなかった。追い詰めるのは楽しかった。怖がらせるのが愉快だった。殺人者になることで弟を破滅させたい。そんな願望があったと思う。
裁かれたい気持ちと破滅願望。弟の手によって社会的に殺されたかった。一生引きずってて欲しかった。でも弟はまた東京に戻って、父親は放っておかれる。出所日に来ない。ようやく現れたら弟は必死に自分を呼ぶ。執着されることに少しスッとする、そんな笑み、ともとれる。

太宰治の駆け込み訴えがモチーフの一つになっているらしい。なるほどな。
これは弟視点なので、兄貴への愛憎が描かれるが、兄貴視点だとどう見えたのかな、と思う。

監督としては弟視点の夢を見たからこういう作りになったわけだが。

邦画としては完成度高いと思う。みんなの演技がひかる。でも香川照之は今も昔も変わらないので、ことさら若くも見えなくて、普通に40超えて見えて、35!?という設定に驚いた。
真木よう子は29だったけど、大学生ぐらいに見えた。髪型のせいかな。当時の髪型って感じで古く見えた。

企画のところに是枝裕和の名前があってなるほどなって感じ。「永い言い訳」でも似た雰囲気感じてたけど、西川監督とも映画作ってたのか~。
好みの作風で面白かった。もっと作って欲しい。
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