ガブXスカイウォーカー

ガンマー第3号/宇宙大作戦のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.9
あのクエンティン・タランティーノ監督もお気に入り(?)『ガンマー第3号/宇宙大作戦』。地球に迫る巨大遊星を破壊するため発進する爆破部隊。遊星爆破には成功するが、隊員の宇宙服に付着していた生物が宇宙ステーション内でモンスターへと進化、増殖して襲いかかってくる、って『アルマゲドン』と『エイリアン』シリーズを先取りしているじゃないか。偶然なのかパクられたのかはわからないが、似たシーンもチラホラ。スゲー(今作自体もなにかをパクっている可能性もあるけど)。
東映とアメリカの映画会社が組んだだけあって、出演者は全員外国人(『007 サンダーボール作戦』のルチアナ・パルッツィもいる)、撮影は全編セットとミニチュアで、何より特撮は決して東宝、大映に引けをとってはいない。モンスターも電気エネルギーを吸収して細胞増殖、放電攻撃、自己再生と力を入れてあり、宇宙ステーション内外の人間VSモンスター軍団のバトルはなかなかの盛り上がりだ。
だが、今観ると、さすがに1968年の作品なので、エイリアンは着ぐるみ丸出しでゆるキャラっぽい。演出のテンポは緩く迫力不足と感じる面も少なくない。脚本の構成も、遊星接近→爆破隊の宇宙ステーション、もしくは宇宙船にエイリアンが出現してバトル→クライマックスは遊星爆破にすべきではないのか?
とは言うものの、個人的には古き良き時代の作品と割り切って観る分には面白かった。近年のCGだらけの作品とは違う、手作りのSF映画は味があっていい。