ガブXスカイウォーカー

うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバーのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.6
意識の芽生えた友引町が宇宙からの異分子であるラムを封印する、と言う基本設定は非常にいいのだが、ひたすら謎を打ち出し、幻想的な映像を重ねて観客を混乱させるばかりで、物語はよくわからないまま、結局いつもの『うる星やつら』に戻って終わる(あたる、面堂らの思いと行動が友引町の心を動かし、ラムを解放させたと解釈もできるが)。脚本、演出に錯綜が生じていたのか、人気作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)をリスペクトして意図的に難解にしたのか、いずれにせよ作品から製作陣の考えを汲み取ることは困難だ。
1986年、TV版『うる星やつら』は終了間際であり、今作は当時最後の劇場版として製作されたのにもかかわらず消化不良であり、有終の美を飾ったとは言い難い。深く考えず、秀逸な作画と美術、元気いっぱいな声優陣の演技など当時の空気を楽しむのが良いだろう。