一

きらきらひかるの一のレビュー・感想・評価

きらきらひかる(1992年製作の映画)
-
OPいきなりひろ子の鮮烈なクロースアップに始まり、山谷初男が仕切るぎこちないお見合いシーンのあと、井の頭公園駅前でトヨエツと別れたひろ子がその場に一人突っ立って泣き出す(その朝飼い犬が死んだのである)長いロングショットから性急にカットが変わりツーショットで「病院(精神科)行ってたの」「男と付き合う人なんだ」と互いに告白の言葉を交わし見つめ合うと軽やかに音楽が鳴り出し、草原に座り寄り添う二人のバックショットにタイトルが重なって、その次にはもう“新婚生活”が始まっている。フジテレビ製作とは思えない作家性の横溢にグッとくる。ひろ子がトヨエツから受け取った菓子を地面に叩きつけ踏みつけそして拾い食い最終的にビンタを食らう、横移動を含んだ長回しのところとかもホントよかった。それに加えて、ひろ子トヨエツ道隆3人とも単純にすごく可愛い。川津祐介と津川雅彦、今は亡きかつての松竹スターの共演も地味に嬉しかった。同じくゲイカップル+女1人の橋口亮輔『ハッシュ!』よりも10年以上前の映画だが、トヨエツが職場の上司にもカミングアウト済みだったりするのが興味深い。
一