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眼の壁のaaaakikoのレビュー・感想・評価

眼の壁(1958年製作の映画)
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「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。」が、日本文学を代表する冒頭文なら、大衆文学を代表する松本清張の『眼の壁』の冒頭文は「六時を過ぎても課長は席に戻っていなかった。」という、サラリーマンにとっては非常に気になる一文でスタートします。
席に戻ってこなかった会計課長は、永遠に戻ってくることはありませんでした。課長は手形詐欺に引っかかり、会社に損害を与えた責任をとって、自殺していたのです。
この映画冒頭の、死に向かう会計課長のシーンは、サラリーマン経験者なら涙なしで見られないと思います。

で、死んだ課長の部下である萩崎が、手形のパクリ屋集団を見つけようと奔走するというストーリーなのですが、はっきり言って清張先生の原作は途中から違う方向に向かうんですよね(清張先生の長編ではよくある現象)。でもこの映画は、原作の良いとこどりな感じでうまく90分にまとまってました。
それに、昭和30年代の新宿の飲み屋街、有楽町駅、懐かしいJRの駅看板、瑞浪の田舎町の風景など、原作を読んだイメージそのままが映像化されてて感動しました!(その時代に撮ってんだから当たり前か)

そして『目の壁』といえばアレ


以下ネタバレ
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硫酸で死体を一気に白骨化!
あんなのほんとにできるんかなー、まじかよ清張先生、とか原作読んで疑っていましたがまさかの硫酸風呂の映像化(笑)
最後のシーンはドライアイスをしきつめて煙を出したそうですが、どう見てもほかほかお風呂にしか見えない…(笑)
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