爆裂BOX

クロネズミの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

クロネズミ(2010年製作の映画)
3.6
ミサトの元に、自殺したはずのアスカから謎のメールが送られてくる。気味悪さを覚えながらも、その指示に従って教室に向うと、同じようにメールを受け取った同級生6人が集まっていた。やがて、校内に深夜0時のチャイムが鳴り響くと…というストーリー。
avex期待の若手俳優と気鋭の若手監督のフレッシュなコラボレーションで贈る<avexニュースター・シネマ・コレクションvol.2>の4作品のうちの一本。監督は「バトル・ロワイアルⅡ【鎮魂歌】」や「エクスクロス魔境伝説」の深作健太。
チャイムが鳴ると同時に顔を血だらけのネズミのマスクで覆った謎の人物が現れる。その人物は一同に向って「今から、アスカの復讐を始めます」と告げてバットを振り回し、ミサトたちを追い回す。逃げ惑う6人は一人、また一人と減っていく。ミサトたちは無事、逃げ切る事は出来るのか、という内容です。
深夜の学校を舞台にしたソリッド・シュチエーションスリラーのデスゲーム物とスラッシャーを合わせたような内容ですね。自殺したはずのクラスメイトに呼び出された6人にネズミの被り物をした謎の少女が「復讐」していき、その正体はアスカなのか?それとも…というストーリーに過去の回想がカットインしてくるという構成になっています。
クロネズミがずーっとスケッチブックで会話してたり、「復讐」として犠牲者が挑戦させられる罰ゲームも「地獄のPK1本勝負」や「カラオケで100点取れないと電流流される」等「SAW」を100倍頭悪くしたようなゲームやクロネズミのおどけたような仕草などコミカルな感じで怖さはありませんね。バットで殴り殺されたり電流流されるシーンも直前で画面静止したりしてグロシーンはありません。罰ゲームも上記の二つだけでしたね。
主人公であるミサトが学校に現れないから犯人なんだろうな、と思ってたら遅れて登場して、時系列ずらしたトリックかと思ったらそんな事も無かったですね。クロネズミの協力者の正体はちょっと意外だったけど、黒幕の正体がいきなり現れた人っていうのはいくら何でも反則でしょう。
主演の米村美咲は可愛いけど現在は芸能活動休止してるみたいですね。優等生タイプのカナコは「クリーチャーズ」にも出演していた斎藤莉奈でしたし、おかっぱメガネの印象強い(本作でもそうです)坂本真やマジイエロー松本寛也等キャスト陣の演技は悪くなかったと思います。
ヤンキーなリョウタが自作武器でクロネズミとバトル繰り広げたり、ミサトがバケツでクロネズミの攻撃防ぎながらバトル繰り広げたりとアクション要素が強くなってくる後半の展開も楽しかったですね。特に可愛い系の声でキャーキャー叫びながら逃げ回ってたギャルのサキがクロネズミ相手に回し蹴り等の鋭い蹴り技繰り出してクロネズミ追い詰めて激闘繰り広げる所は爆笑しちゃいました(笑)結構動ける子でしたね。最終的に罰ゲームそっちのけで同級生同士が殺し合い繰り広げる小粒な「バトロワ」の様になっていくのも個人的には面白かった。
いつもヘラヘラ笑ってるアスカにイラつく気持ちはわからないでもないかな。というか、この面子がバラバラ過ぎてどうして一緒に行動してたのか分からなすぎる。遅かれ早かれバラバラになってたよね。ミサトも一番の親友でアスカのこと庇ってたけど、まあ男女がグループになってたらそうなるよね…最後の笑みと言い、ミサトはこうなる事を薄々わかってたのかな?
怖さはないですが、いい意味でバカバカしい感じが個人的には楽しかった作品でした。