爆裂BOX

ブラッディ・ミッションの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ブラッディ・ミッション(2008年製作の映画)
3.5
韓国で観客動員200万人突破したサスペンスホラーです。
名門チャンイン高校で海外から生徒を招く招講授業が行われることになり、成績上位者たちに特別授業が実施される。だが、授業中、モニターに女子生徒のヘヨンが閉じ込められている映像が映し出され、問題を解かなければ彼女は死ぬというメッセージが届く。次々と与えられる犯人からの質問に生徒たちは懸命に答えようとするが、一人、また一人と死者が続出する…というストーリーになっています。
学校に閉じ込められた生徒たちが次々と謎の殺人者によってデスゲームに参加させられる展開ですが、名探偵が登場せず推理要素のない「金田一少年の事件簿」という感じですね。
冒頭、女子生徒イナが見る悪夢に現れる殺された女子生徒の霊や追い掛けてくるゾンビみたいな女子生徒、精神に異常をきたし始めている男子生徒ボムがみる女子生徒の霊の姿は不気味さあって良かったですね。
成績上位者を集めた特別授業中に突然モニターに水槽に閉じ込められた女子生徒と「問題を解かなければ彼女は死ぬ」というメッセージが出たのを皮切りに、一人、また一人と生徒が姿を消して同じく解かなければ死ぬ問題が送られてきてさらに学校の外に出ようとしても死ぬと脅されて学校に閉じ込められることになります。ただ、もっと頭脳戦繰り広げるかと思ったらそんな事ないのは拍子抜けでしたね。一応、提示された問題解こうとするけど、解く前や解き終わるころには被害者殺されちゃってるのでもっとギリギリで謎解いて助かった!という攻防見たかったですね。被害者になる生徒達もろくにキャラ描かれず、どんな人間だったのかわからないまま殺されるので「ああ、殺されたな」としか感じないんですよね。助けを呼びに外に出た生徒指導担当いきなり血塗れで帰って来たけどどうやって殺されたのかまるで分らなかったな。
水槽に閉じ込められて水を注ぎこまれて溺死したり、蝋燭の蝋顔中に垂らさたり、洗濯機に押し込められてグルグル回されたり宙吊りからの落下など殺した方は多彩ですね。直接的なゴア描写はないんですが、身体に回答を刻み込んだり、断末魔の叫びを校内放送で流したりする所は嫌~な感じ出てて良かったですね。
登場人物は多めですが、女子生徒イナ、彼女のルームメイトミョンヒョ、イタズラ好きの不良だけど留学経験あって根は悪い奴じゃなくイナに気のあるヒョン、生徒に人気の教師と冷徹女教師、暴力生徒指導担当に精神に問題のある男子生徒ボムが主要人物で、一緒に閉じ込められる他の生徒達はモブキャラで物語に絡んでこないのが残念。20人以上いたのに殺されることも目立つ事もなく終わりましたね。人気者の教師が極限状況の中で豹変していく姿や、襲ってきたやつとはいえ鈍器で頭部をグシャグシャニ殴りつける所は見応えあったかな。冷たい感じだった女教師が生徒思いな一面見せていく所も良かったですね。しかしメインで最後まで残るだろうと思った彼があそこで死んだのはビックリした。標的でもなかったし完全にとばっちりの二次被害で死んだな。
問題を解いていくうちにかつて殺された女子生徒に関りがある事がわかってきますが、犯人死んで一旦解決、と思わせてからの最後のゲームでその真相も明らかになっていく所は良かったですね。犯人は予想通りの人だったな。生徒と教師以外で閉じ込められた人とかまず疑うよねぇ。この犯行に至るまでのドラマも切なさもあったし、殺された生徒たちの共通点が最後に明らかになる所も良かったですね。あいつはかなりクズだったんだな。殺されながら謝罪はしてたけど。
ミステリー要素はそんなに強くないですが、中々楽しめました。