藍色

8 Mileの藍色のネタバレレビュー・内容・結末

8 Mile(2002年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

エミネムの半自伝的映画ときいて。主人公はエミネムが演じてるってのにもびっくり!

デトロイト、8マイルエリアの雰囲気…閉塞感や、黒人差別の結果治安悪いままに見捨てられた工場地区、みたいなのが伝わってきたのも面白かった。ラビットたちが廃屋に放火したり、チェダーが喧嘩に銃持ち出したりするのは治安悪すぎ。これがアメリカか…。

主人公のラビットがここからどう貧困を抜け出すのか?母は宝くじで3200ドル当てたっていうけど、日本円だと45万円くらいでしかないから、このまま無収入なら5ヶ月くらいでまた生活は立ち行かなるんじゃないか?とかは気になるエンドなので、デトロイト8マイル出身の貧しいラッパーがアメリカンドリームを手に入れるまで、って話ではない。どん底の人生がちょっと上向きかけたところで終わる。

エンディングで流れるlose your selfがカッコいい!!歌詞がこの映画そのもの。

ラップをよくわかってなかったんだけど、友人と輪になってラップしたり、工場の昼休みにラップ披露するシーンを見てこういうところがルーツなんだなと思った。韻を踏み、語彙と言葉の持つイメージを組み合わせて、スマートに相手をディスるバトルなわけだね。そう思うとエミネムの曲やラップバトルって言葉の韻がかっこよく踏めてる。歌詞に出てくる固有名詞も元ネタが分かってアメリカの文化的背景が分かってたらより楽しめるんだろうな。相手のこの特徴をディスるのに、ここでこのネタを引っ張ってきてディスるのは上手い的な。

「最後のバトルで、パパ・ドックがラビットのどうしようもなくかっこわいるところ(彼女を寝取られたり、袋叩きにされたり、友達は自分で自分を撃っちゃったチェダーだったり)をネタにされたらどうするの?」っていうチェダーの心配に対して、ラビットは先回りして全部それを自分のターンで自虐として言うのがアツい。

しかもそれが、ラビット=白人=俺ら黒人のデトロイト(3-1-3)のカルチャーに属してない特権階級、みたいなディスへのカウンターになってるのがね。

そして、更にパパ・ドックはパブリックスクールに通い、両親は仲が良くお金もある…っていう、パパ・ドックの勝ち組的要素へのディスに繋げてくのがアツい
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