関本監督曰く“私映画”だという『処女監禁』の終盤で唐突に冬の海がインサートされるのがよくわからなかったんだが、これを観て+著書『映画人列伝』を読んで、それがほとんどこの監督の生理なのだと知る(同じように2作に共通して登場するコンドーム風船がそうなのかは不明)。監督の妻の実家が津軽にあり、「僕の人生にとって、最もうれしかったこと、そして最も悲しかったことがあったところ」で「映画作りの原点ともいえるような」場所なのだという。“土俗“だの”業”だのといったテーマはまたいかにも中島丈博的なのだろうし、前張り無しでヌードシーンを演じきったという主演の結城しのぶも含めて、なんだかボルテージの高い映画だった。序盤の強姦シーンなんかかなりダイナミックだし(結城さんが頭ぶつけて額に瘤作ったらしいが本人の希望で同日中に撮影再開)、アクションでいえば何より結城さんのビンタがかっこいい。それで有明祥子がふっとんで水たまりに突っ込むのもかっこいい。クズ男の吉沢健もかっこいい。そして佐々木すみ江、間違いない。
