菩薩

チンピラの菩薩のレビュー・感想・評価

チンピラ(1996年製作の映画)
3.9
初期武程パキパキしてはいないが神代程軽薄な訳でもなく丁度いい塩梅が90年代中盤の空気感と絶妙にマッチ、鮎川誠の渇いたギターサウンドが尚の事良い。ダンカンは神経性胃炎持ちでちゃんと馬鹿野郎だし、大沢たかおは確かにチャリ乗り回すくせにチンピラにしちゃイケメンが過ぎるが、二人並ぶと中和されていいのでは。石橋凌は耳無芳一かってくらい顔以外の全身にゴリゴリ刺青入ってる、あのパチンコ屋での刺殺シーン、周囲の客のビクともしない感と無音の演出が冴える。そんな客にまるで関係ない復讐をするかの様に、葬い合戦だとばかりにゲーセンを客の片っ端から引っ叩いていく大沢たかお、暴力には暴力の応酬がある。屋上での片岡礼子とのキスシーンなんて連ドラなら最終回のラストシーンだろうが、そこから話が始まっていくのだし、この片岡礼子は若干無理してるのかもしれんがめちゃくちゃ可愛い、あの帽子とパンチラ!彼女との関係性が未回収なのがなんだか勿体無いし、なんならオカンのエピソードもいらんが、ワンカット内で時空を超越してて驚くし、大沢たかおの鼻水はもはや芸術の域。ラストもあれ以上の終わり方は無い。長回しもロングショットもバチバチに決まってる。「どこ出身?」「四国です」「いいねぇ、バチカン市国」、チョベリバな状況なのにチョベリグって誤魔化すダンカン、砂浜に突如出現するセスナ、割り箸で鼓膜を破壊される光石研。
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