【水の如くワインを飲む間の悪い男 】

イタリア、フランスの共同制作ですが、フランス色の強い作品のように感じました
フランス映画を愛してやまない方には是非観ていただきたい作品です

ネクタイを締めた浮浪者が謎の紳士から200フランを渡されるところから物語は始まります
まず食べる、髭を剃る、財布を買う、仕事をする•••常に酔った状態で様々な出来事が起きます

台詞も少なく、場面が絵画的で意味ありげ
こんな一節があるかどうかは知りませんが、聖書の一部を切り取ったかのよう

解釈を、観る側に全て委ねる究極の🇫🇷映画！
退屈と見るか意味深いと見るかはあなた次第です

前から観たかった「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ作品。

主演はルドガー・ハウアー。レプリカントなイメージの強い方。この組み合わせでどんな映画になるのか興味津々。

橋の下でホームレス暮らしをしているルトガーさん。ある日、お金を貸してくれる老紳士が現れて、そこから起こるちょっとした奇跡の話。

酔っ払いの幻想？妄想？、、って気もするけど、オッさんのファンタジーは中々心地よい。オッさんでもどことなく色気のあるルトガーさんだからこそなおのこと。

「木靴の樹」の様なネオレアリズモ風の厳しさとは違った味わい。結構好きです^_^

酒好きとしては〝酔っ払い〟のワードだけで唆られる。しかもオルミ監督にルトガー・ハウアーと来たら観るしかないだろう。

『聖なる酔っ払いの伝説（1988年）エルマンノ・オルミ』

、、と言っても正直、オルミ監督とルトガー氏のイメージってかけ離れてるように思えるのだが、実際見てみると〝異物感〟はまるで無い。むしろ彼無しでは考えられないぐらい溶け込んでて、酔狂してしまう程、スパイスが効いているのだ！

主人公（ルトガー）が「手はゴツいけど、、」と言うだけあって、指が驚く程ごんぶと〜。。その手がやたら汚らしく見えるのだが、目の輝きに関しては、この世のものとは思えぬ美しさ！（まるで青いビー玉！）絶望の果てに目は潤んでも、それは奥で青く光ってる。多くを語らずとも、この表情があれば充分だろう。

バー◯ーヴェン監督の変態路線から軌道修正するかのように、この作品に彼が出演した事こそが、ささやかな〝奇跡〟なのかも知れない？！

と、ついついルトガー氏に熱が入ってしまったが、本作の見どころはそれだけではない。

いつもの（映画で見る）パリの街並みとは一味も二味も違って美しく見えるのはオルミ監督だからこそ。街も人もファッションも話す言葉も全てが〝自然体〟でありながら輝いて見えるのだ。音楽も良かったし、サンドリーヌ・デュマって女優さんがやったらかわいかった。（チュルパン級！）

最後の晩餐には赤ワイン片手にこの映画を観るのも悪くなさそうだ！笑

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