20年くらい前からずっと観たかった映画をやっと観た。
私が最も好きな小説の一つ『たけくらべ』、
吉原の裏手に住んでいる歳の違う同級生の少年と少女の話。喧嘩と格差と初恋の話。この小説を読んでいると書かれていない大人になったこの子供達のことまで想像が広がる。
この映画は
作者の樋口一葉の生涯に作品世界の登場人物(モデルのような形で)が交わる構成になっていて
とてつもなく良かった。
おそらく樋口一葉は物語を想起させるような現実を目撃していたと思う。
『大つごもり』、『十三夜』、『にごりえ』、そして『たけくらべ』を読んでから観るとより楽しめると思う。小説をどう映画ではアレンジしているかも見どころだ。
20代の山田五十鈴、綺麗。
10代の高峰秀子、美少女。『たけくらべ』の美登利役。切ない。
セットが凄い、というか、小説だけではわからない明治の風景、建物を再現した店とか吉原、小道具等等に目を奪われた。
日本映画オールタイムベスト30に入った。