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蒲田行進曲のmarnimのネタバレレビュー・内容・結末

蒲田行進曲(1982年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

第6回日本アカデミー賞受賞作品。
「階段落ち」で有名な本作だが、見るのは今回が初めてとなる。
小夏の松坂慶子、ヤスの平田満、銀四郎の風間杜夫の3人が凄まじい熱量を放っていて、この映画全体が熱気に包まれている。
撮影所のシーンでは役者・監督・スタッフが、1つの映画を撮るための真剣勝負を行っていて、見てる方にもその熱が伝わってくるようであった。
連獅子姿で見事に薙刀を振り回す真田広之、着物姿でキレのある殺陣をこなす志穂美悦子の2人のゲスト出演は見事であり、この映画に華を添えていた。
朋子と付き合うために邪魔になった身重の小夏をヤスに押し付け、朋子と別れると今度は復縁を迫るという節操のない銀四郎にはムカつくのだが、小夏が銀四郎の方に行かなかったのは、ヤスの無償の優しさと人吉にいるヤスの母の存在が大きかったのではなかろうか。
ヤスの母は、お腹の子の父親がヤスではないと知りつつも、「甲斐性はないが優しい子やけん。息子をよろしくお願いします。」と、小夏に告げるシーンが胸に響く。
そして、この映画のクライマックスはなんといっても「39段の階段落ち」。
実際に「階段落ち」をやったというから本当に凄い!
最後は大どんでん返しで「落ち」をつけるというオマケ付き。
まさに人情喜劇の傑作と呼べる作品であった。
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