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男はつらいよ 寅次郎恋歌のiheugoのネタバレレビュー・内容・結末

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

旅先で出会った一座。雨で客も来ず、苦労している姿に同情する寅。それでも辛いことはあるけれど、舞台に立つと忘れてしまうと明るく話す女の子に励まされる。
博の母親が亡くなる。博の兄たちがお母さんは幸せだったと話すことに、反発する博。お父さんの女中として終わったお母さんが幸せなわけがない。昔、お母さんの夢は船で外国に行って胸の開いたドレスを着て踊ることだって話してた。もし、お母さん自身が幸せだったというのなら、そのこと自体が不幸だ。
兄弟達がすぐに自分の生活に戻るため家を出るなか、寅はお父さんが寂しいだろうと家に居候する。奥さんも子もいなくて背負うものが無くて楽だと話す寅に、博の父は語りかける。昔、私も同じことを思ってたことがある。ただ、かつて安曇野に旅に出たとき、バスに乗りそびれね畦道を歩いていると、明かりのついた農家の家が一軒見える。その家にはりんどうの花が庭一面に咲いて、親子団らんしている。一人子供がいないのかな、お母さんが大きな声で子供を呼んでいる。
それが人間の暮らしだとその時分かった。分かるか寅次郎君。
その話に感銘を受けた寅は柴又に帰る。
贅沢は言わない小学校3年生くらいの子供をつれた女の人がいないかと、探す寅の前に、まさにその女性が現れる。コーヒー屋を開店した彼女だったが、順風満帆とは言えずお金に苦労する姿を寅は見る。
その女性を助けたいと、お金を稼ごうとするが、寅の稼業では難しいことに自分で気づく。都会で露店を開けば警察が来てすぐ店を畳まなければいけない。
寅は自分の無力さを思い知らされ、また旅に出る。

誰であっても人知れず苦労を抱えて生活している。
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