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オーシャンズ13のLCのレビュー・感想・評価

オーシャンズ13(2007年製作の映画)
3.7
面白かった。

もしかして軌道修正したのかな、と思うくらい、元となった作品「オーシャンと11人の仲間」に寄せてる部分が見て取れる気がする。
わかりやすいのは「シナトラと握手した」という台詞。シナトラさんは元作品で、オーシャンを演じた人。
また作中「サンズやデザート・インも大きくなった」との台詞もあるが、どちらも元作品で被害にあったカジノの名前。シリーズ中ちょくちょく出てきていたフラミンゴも同様。

台詞以外にも例えば、全体の複雑さが控えめになり、素直に物語を追っていけるようになっている印象が強い。これも元作品の特徴と言っていいと思う。11人の仲間は観客を騙さないので。
また、シリーズを通して積み上げてきた「仲間意識」は、元作品の設定「WW2を共に戦い抜いた戦友」に並ぶ説得力を得たのかな、という印象も持つ。
そして本作中ショックで心臓止まりそうになる人が出てくるけれど、元作品では心臓止まっちゃう人がいたりする。

ただ、前作で女性が待つだけ、被害を受けるだけではなく、仲間として動いたところを考えると、本作ではまた女性が男性の物語を彩るだけの存在に戻ったのかな、という感触もあったりする。
前作で仲間になった女性の気持ちや考え方が理解できるかどうかは、置いておくとして。
奥さんも元カノさんも出てこなかったの、やっぱり「仲間の中に女性はいない」感を覚える。まあ元作品もそうだしなあ、仲間同士で「俺に投票してくれたら、女性から選挙権を剥奪し、奴隷にする」と演説する政治家ごっこしたりしてるから。

シリーズ中に印象を残したキャラクターを登場させてくれるのは素直に楽しい。
やっぱり彼は物を見る目があるんだろうなあ、前作で掴まされたレプリカ、俺の目には贋作に見えなかった… という衝撃も感じていたんだろうなあネタバラシの時。
そして怖かったのが、地震を起こす場面。
コンピュータすごいなーサイコロも仕掛けがあってすごいなーという、「すごいなー」で済まない感は、日本に来てマジ地震結構発生するし揺れって体感こんなにこえーんじゃん、と知ったからかもしれない。耐震性本当無視できない。

11、12と見て、元作品とはどんどん距離をとっていくのかも、と思ったら、13で「忘れてないぜ」って言われた気分。ちゃんと11人の仲間から見てきて良かったよ。
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