タキ

ミストのタキのネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレを踏まずここまでやってきたのでそろそれ見とかねばと初鑑賞。
軍によるアローヘッド計画(窓?みたいなところから異次元を観察している)の失敗で異次元のクリーチャーがミストとともに街に押し寄せてきたというのが謎の真相。まさか異次元がでてくるとは思わなかったが、まぁこのあたりは薄目でみることにして本当に怖いのは「人間」だったというウォーキングデッド的な展開を見ていくのがこの映画の真骨頂。
ホラー映画の行き着く先はおおかた主人公の生還だが本当にこのような立場に置かれた時にどの選択が正しいのかは実はわからないものだ。現に1番最初にスーパーを出て行った女性(ウォーキングデッドのキャロル役で有名なメリッサ・マクブライドが演じていた。キャロルの腕を持ってすれば生き残れるかもというナゾの安心感がある)が救助されて子供とともに軍のトラックに乗っているシーンが最後にあって主人公をさらに地獄に突き落とす。もしかしたら助けを呼ぶと言って出て行った弁護士のオジサンもスーパーで立てこもっている人々も生きているかもしれない。デヴィッドの取った選択は最悪のものだったが、クリーチャーが飛び交う非現実の中のひとつぶのリアル、正しさを全面に押し出す一見ヒロイックのタチの悪さを目の当たりにして戦慄した。
それにしても主人公を脇役やモブキャラと同じ地平に並べる監督の勇気よ。原作とラストは違うらしいが、この鬱ラスト、スティーブンキングはすごく好きそう。
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