歩葉戸路素

月のキャット・ウーマンの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

月のキャット・ウーマン(1953年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ガガーリンが宇宙へ行く前…
アームストロングが月に降りる前…
月面が解明されてなかった時代

そんな時代を考慮してもあまりにずさんな科学考察に眩暈がしそうになる
いにしえのZ級映画

冒頭で宇宙船が事故って原子炉が故障し放射能が船内に漏れて発火する展開になるのだが
なんと主人公は何も恐れず家庭用の消化器で火を消し難を逃れるのである!
(なんで宇宙船に家庭用消化器があるんだーーー!?)
消化器で放射能を消すという前代未聞さ
月面降りてからも平気で宇宙服脱いだり、月でタバコに火がついたり、月面に全身タイツのキャットウーマンが住むキャバクラみたいな宮殿があったり、月面に謎の人喰いタランチュラが生息してたり
何でもアリのファンタジーな世界観

そして一番しょーもないのが主人公一味
月面探検隊が月に降りて何をするかと思えば
月の宮殿でキャットウーマンに囲まれて酒飲んだり痴話喧嘩したり…という
コイツら一体何しに月来たんだ!?ってなる

ラストはキャットウーマンが人間の宇宙船を乗っ取り地球侵略しようと企む展開へ……
主人公がテキトーに銃乱射しキャットウーマンを皆殺しにして(画面外で撃たれてるので見えず死体も映らない)
アッサリと地球へ帰還
『あー月旅行楽しかったー』
って軽いノリでEND

個人的にはこういう何でもありの破茶滅茶な
『ハジケSF』は大好きなので
本作もめちゃくちゃハマった
背景の月面がどう見ても絵だったり、宇宙船内が事務所丸わかりだったり、月の宮殿がギリシャ建築風のキャバクラだったり、月面蜘蛛が糸で動いてるの丸わかりだったり
ハリボテ丸見えな世界観が素晴らしい
デューン砂の惑星より遥かに楽しめる

実はアメリカではかなり有名で歴史的クソ映画として認知されてるらしく
パロディもいくつか作られてるとか…
歩葉戸路素

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