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プロスペローの本のScriabinのレビュー・感想・評価

プロスペローの本(1991年製作の映画)
4.2
プロスペローが書いた戯曲という設定ですでに満足度max

・めちゃくちゃ水好きじゃん。
・プロスペローのあの帽子はジョン・ディーぽかった。
・グリーナウェイの他の映画と色々被るところがあった。『数に溺れて』の縄跳び娘が冒頭に出てきたり、『レンブラント』の移動ベッドみたいなプロスペローの書斎、横方向の等速直線運動するカメラと歌う少年は『コックと泥棒』にもいた。
・エアリアルが何人もいて『数に溺れて』の3人のシシーを思い出した。エアリアルの造形はクピドなのね。
・キャリバンの造形にもジャーマンとの違いが現れていた感じがする。ジャーマンは顔を撮りたがるけれど、グリーナウェイは身体を撮りたがる。
・ルネサンス世界をいくつもの本に分けて博覧会のように陳列する。テンペストが持っていた要素を分析して再構築する。とても批評的だけど、なぜかエンターテイメントになっている。このバランス感覚が素晴らしい。
・柱廊やインプルヴィウムなど古代建築・ルネサンス建築を使いながらも、なぜかレンブラントの衣装……結構サテリコンっぽいなと思った。
・ルネサンスの祝宴の解釈が遊園地やミュージカルだったのはかなり面白い。ミランダとフェルディナントの出会いのシーンはラッセンやアルマ=タデマっぽかった。
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