Riehl

R-POINTのRiehlのレビュー・感想・評価

R-POINT(2004年製作の映画)
4.1
"箪笥"と並び韓国二大ホラーと言われる"Rポイント"。

時は冷戦時代、ベトナム戦争。
アメリカ勢力下の韓国からも大勢の軍人がベトナムへ派遣されている。
ある日、ベトナムのRポイントと呼ばれる地点で失踪した韓国軍を捜してこいという指令が。
派遣されたのは、"梅毒"にかかっていた兵士たちと、貧しい韓国にいる家族の為に"梅毒だと偽って"志願した若き青年。(当時は軍人のベトナム志願者は手当てが物凄い厚かった。)

さて、色々なキャラクターが集まったチーム。猛暑のベトナムで射撃戦をくぐり抜け、不気味な地点、通称"Rポイント"にたどり着く。
まるでお化け屋敷な建物をキャンプとして任務に当たる中、
突然、チームの一員が首を吊って自殺してしまう。

本拠地に無線で事態を告げるも、
「何バカなことを言っているんだ!○○○(自殺した兵士)は、お前らが捜索する対象の行方不明兵士だろう!!!!」
と怒鳴られる。
「おかしなことを言わないでくださいよ!僕たち、Rポイントには○○○君含め10人で来ていて•••」

「暑さで頭をヤられたのか?お前ら捜索部隊は9名じゃないか!くだらん!!」

ツーツーツー••••(無線切れる)

というところから、ホラーが始まる。

これね、よく出来てる脚本ね。
まず、このシーン(実は9人のチームだった?)がよく出来ている。
観ている方も、"自殺した兵士"って誰だっけ?ってなるのよ。あれ?アタシ見逃してたっけ?って。からの、無線の遣り取りね。
上手いこと演出されてますな。

2004年公開の映画なので、基本的に怖くはないです。
お化けさんも超ありきたりな、黒髪ロングの白いアオザイの女の子(かわいい)だし、今見るとホラーの演出なんかは全然子供騙し的なレベル。

只、脚本が凄いし、当時まだ新人だったであろう俳優達の演技力が凄いし。
何より、不気味な"あの建物"がカンボジアに実在する"自然もの"で、実際にそこはカンボジアの心霊スポットと言われていて、撮影中にカンボジアスタッフから、縁起が良くないからと製作ストップが出ていたという。
(因みに映画の外観そのままで今はホテルとして開放されているらしいから、心霊スポットも時代に合わせるのねって思ったよね😆)

ホラーとしては点数は低いかも知れないが、脚本の力や、なにより映画の背景となったベトナム戦争の"まだ語られていない"不気味さみたいなのが上手く演出されている。
そして、仕上げるまでに監督や製作者達が何度も代わっているというホラー(?)。

怖いものみたいな~って人よりは、"考えさせる系ホラー"が好きな人にオススメかな。
あとは、今でこそスター俳優達の若き日の奮闘ぶりをみたいファンの方にお薦め。

"箪笥"同様、何回か見直して楽しめる映画の類い。

こういうミステリーチックなホラー映画、またブームが来ればいいなあ。
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