イチロヲ

ジョン・カーペンターの 要塞警察のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
ゲリラ武装部隊の急襲を受けた警察官が、拘留中の凶悪犯と共に籠城戦を強いられてしまう。西部劇のプロットを現代のスラム街に置き換えている、アクション映画。

各派閥のシナリオがバラバラに進行しながら、警察署での籠城戦へと集約していく展開が超絶カッコいい。統制の取れている武装グループを得体の知れないTHINGのように描写しており、超常現象系のホラー演出が最大限に活用されている。

今どきの感性で観ると、「警察署の屋上から狙撃できないのか?」というゲーム脳が働いてしまうが、「会話でのコミュニケーションが成り立たない恐怖」と「見えないところからの銃撃の恐怖」がびんびんに伝わってくるため、結果オーライ。

女子供にも容赦しないバイオレンス描写だとか、凶悪犯の静かに狂っているキチガイぶりだとか、随所にジョン・カーペンターのエッセンスが滾っている。やっていることは西部劇と同じだけど、他のジャンルへのコンバートが絶妙な面白さを誇っている。
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