久保田靖史

飢餓海峡の久保田靖史のレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
5.0
 実は来週末に私は青森県下北半島に、この映画のロケ地巡りに行きます。その前に再度見返してみたのが今回の鑑賞でしたが、もう何回も観てるのに、また新たな発見がありました。
 水上勉の原作との違いは、恐山のイタコにスポットを当てたり、主人公の樽見京一郎(演:三國連太郎)が自分の黒い過去を知る杉戸八重(演:左幸子)を殺すシーンが原作の毒殺ではなく、絞殺であったりと云う点です。
 刑事役に当時は喜劇役者として大人気だった伴淳三郎にまだ若い高倉健、警察署長に黒澤明組の藤田進など、今はもう故人になってしまった俳優達の熱演を観る事が出来ます。
 岩内、倶知安、函館と私が中学高校時代を過ごした場所が登場するこの映画は原作小説と併せて観る事で更に理解が深まり、石川さゆりの歌も加えてより味わいが増す幸運なループ状態が私の頭の中に存在してます。それを加速させるのが、今回の下北の旅、今から楽しみです。
久保田靖史

久保田靖史