のうこ

晩秋ののうこのレビュー・感想・評価

晩秋(1981年製作の映画)
3.5
齋藤耕一の『約束』もキムギヨンの『肉体の約束』も未見。
母の墓参りのため特別に外出を許されて電車に乗る女とある男を殺すため、電車に乗る男の同じ場所をめざすボーイミーツガールもの。電車やらバスやらを何度も乗り継いでいつからかロードムービーのようになっていく。電車の車窓は、カットが切り替わるごとに朝になり夜になりと時間を省略していく。行きと帰りの電車で、行きでは、男は新聞紙で顔を隠していたのが、帰りではコートが2人のつながれる手を隠すために使われる。電車の緊急停車によって2人は倒れこんでそのままキスし、電車を降り、男が夜の森の中でやり始める流れはすごいと思った。駅で次々と通り過ぎていく電車に乗るか乗らないかが人生の大きな選択のようになっていて、すでに発進する列車に何度も飛び乗る男の姿が感動的。ラストはアメリカ映画のように早朝のダイナーでお別れ。最高です。
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