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ナイトメアのwayfarerのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトメア(1981年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1981年のアメリカ・イタリア合作映画です。

主人公の男性テイタムは、「男女が惨殺される悪夢を見る」→「絶叫しながら目覚める」→「錯乱状態となり泡を吹いて失神する」を繰り返しており、すっかり精神を病んでしまっています。そんなテイタムが、措置入院されていた精神病院から失踪し、失踪の過程で殺人を犯す話です。

悪夢に苛まれるテイタムの、その苦痛やぶっ壊れた精神状態が真に迫っていていい感じでした。全編が狂気と血しぶきにまみれていました。

また、【超ネタバレ】ですが、この映画はラストが謎めいていて見終わった後もずっと引っ掛かっています。

この映画の後半は、テイタムと「CJ」と呼ばれる少年の攻防戦となります。CJ少年はしたたかな悪童で、何度か襲われ掛けるものの簡単には殺されません。

映画の終盤、CJ少年の家に押し入ったマスクの男(話の流れからテイタムだろうと思うわけですが、マスクを被っているので顔は見えません)がCJを襲いますが、CJに銃で反撃されて逆に殺されてしまいます。で、翌朝警察や母親が男のマスクを剥がすわけですが、男の素顔を見たCJの母親は、「これは離婚した元夫だ!」と叫んで終わります・・🤔

解釈は2通りありそうです。

①テイタムは悪夢から解放されるため、悪夢に出てくるのと似ている女性と少年を殺害しようとしている。このため失踪中に出会った女性を殺し、CJのことも殺そうとしている。CJが殺したマスクの男はテイタムではなく自分の父親であり、テイタムはまだ生きていてCJの家に潜んでいる。

②テイタムは精神病院から失踪し、元妻と息子CJの家を訪れる。その過程で殺人を重ねる。CJが殺したのは父親のテイタム。幼少期に父親を殺害したトラウマで悪夢に苛まれることになったテイタムの宿命は、息子のCJに受け継がれる。

私は①の解釈だと思いました。②の解釈だとテイタムが殺人を重ねる動機を説明しようがなく、単に異常者だから殺人を犯したということになります。また、息子のCJを殺そうとしているのに、元妻が全く狙われないのも不自然です。

テイタムは、殺害した女性の遺体に「申し訳ない」と涙ながらに謝っています。また、CJの家に潜入した後も、CJに対し電話で「(お前を殺す衝動を抑えられないから)今すぐ家を出ろ」と泣きながら伝えます。

そんなところからも私は①の解釈だと思うのですが、レビューサイトを見る限りでは、②の解釈の方が主流のようです。

追記;
マスクの男はCJに拳銃で腹に5,6発撃たれてもそれでもまだ襲い続けます。その後、更にライフルを2発受けてようやく絶命しますが、「ないだろ。13金のジェイソンかよ」と思いました。

https://wayfarer.hatenadiary.jp/entry/2024/04/14/194121
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