傑作の言葉に尽きる。
物語としてはかなり「ひねって」いてそれが成功している。『サモハンがラストに闘うことになるだろう』という予想される展開を、完璧に覆した物語の妙。とてもチャレンジングな姿勢のサモハンの映画作り、物語展開が素晴らしかった。他のカンフー映画とは1線を画した、ひとひねりした、しかも熱く気迫を持った作品になっていると思った。
それに加えてサモハンの武術指導も冴えわたっていて、この時代の伝説の映画の中の1作だと思う。
なぜ最後にサモハンが出てくるのか?という部分に関してだが、あれは、サモハンが最後に生きていたという展開にしないと「物語が救われない」から。なので、あれは主人公レオン・カーヤンが見た幽霊なのかもしれないとも思う。あの部分は付け加えられた補足というか、サービス的な描写なのだろうと考えられる。