プリンス

ゴキブリ刑事のプリンスのレビュー・感想・評価

ゴキブリ刑事(1973年製作の映画)
4.7
連日の鬱陶しい空模様、皆様如何お過ごしでしょうか。
アリエール生乾きの雑巾臭を、派手に身にまとっておる故に、お昼時のコンビニや、夕方半額で混み合うスーパーでも、わたしの周りは空いております。これぞ昭和の男臭さ。ダンデズムの追求にございます。映画通、プリンスです。

さて今回はフォロワー様からのオススメ。

「ゴキブリ刑事!」

古い映画と侮るなかれ。
70年代チャカポコサウンドをバックに、オープニングからタイトルバックまでの数分、モーレツにカッコイイのであります。

舞台は高度成長期につき、無数の煙突からダイオキシン噴出中の無法地帯、鹿島。
ある警官殺しの事件をキッカケに呼び戻される、停職中のマル暴。渡先生演じる、ゴキブリ退治の鳴神刑事登場。

この時代は、全員タバコ吸いますからね。ザクトライオンの入念な歯磨きに、ネスカフェ水溶き。先程の歯ブラシの柄で混ぜる無駄の無さ。
男の子ならみんな憧れる、出落ち感半端ない、この出で立ちを見よ!茄子型レイバンにスリーピース、トレンチコート。全方位対応型の見事な角刈りに、デカイもみあげ。台詞は全て、ドの更に下のラで唸るだけとゆう男らしさ。
図太い眉毛で、体温高くひたすら唸るおじさんは怖いですよ!

まずは街に繰り出しまして、チンピラ達を片っ端から力任せに別件逮捕。
取り調べ室で口の減らない輩には、赤信号リーダーも真っ青の強制コーララッパ飲みに、ガムテでゴッソリ束ねたタバコを吸わせる。終始、顔圧は強めであります。

ヒロインは、割と簡単な事情の謎の女。こっちは眉毛無いか、加賀マリコの異常に意味深なアンニュイ。そして昭和の風景、女はシャブ漬けにされてトルコに売られてみたり、若い刑事さんのお袋さんはズーズー弁だったりと、細かく泣ける懐かしの風景なのであります。
物語中盤、ゴキブリ刑事のダイナミック過剰な捜査に、いくらなんでもと躊躇する田舎警察。ついに渡先生を契約解除。捜査から外す訳でありますが、猛進するカクガリ刑事は止まりません。釈の関係もあってか、勝手にクライマックスになだれ込み。そこそこ凄いカーチェイスに、重機を使って敵のアジト(二階建て巨大プレハブ)を根こそぎ引っこ抜いての大爆破。何故か、お笑いウルトラクイズを思い出したのであります。
基本的に逮捕はせずに、その場で処刑するスタイルで御座いますから、黒幕の悪徳大物政治家も頭蓋骨ぶち抜いての一件落着。
反社会勢力なんて、割に合わないネー!
そして、あ〜スッキリした!
と、意味も無く、警察の検問を突破をして街を去るソリコミ刑事。
これはこれは自由なモンです。

哀しいかなダーティ・ハリーの方が身近に感じる今日この頃。
昭和は遠くになりにけり。
これはどうなの!イーストウッドよ!

多分、観てないだろね、、

そしてコレ、実は誰からもオススメされてもおりません。

映像音楽・・5点
着こなし・・5点
火薬量・・4点
トルコ料金・・1万円

計4.7点 ジジイは観るべし

でわまた!
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