一条和馬

バーバレラの一条和馬のレビュー・感想・評価

バーバレラ(1967年製作の映画)
3.0
遠い未来の地球。主人公である宇宙飛行士のバーバラレラが、地球国大統領の特命で行方不明になった兵器開発者の男を探しに宇宙を旅するSF映画。

細部までこだわったセットは多くが説明されませんが、昔の映画で見た「未来っぽい」のハッピーセットです。公開から60年経った今でも登場していない超技術がいくつも登場し、今でも「なんだこれ!?」とワクワクできるのは良い所。

そして根底にあるのは制作陣の大いなるフェチズム。

「美女にエロい格好させてひたすらエロい目に合わせたい!!!!」という執念すら感じるこの映画は、至る所で色んなシチュエーションのエロスが散りばめられています。作中の地球では通常のセックスは野蛮で古いものとされ、ピル(現実にあるものとは違い、脳波を調整するもの)を飲んで相手と波長を合わせ、それで快感を得るのが習慣になっているらしいのですが、それは地球だけであって別の星なんだから普通にセックスするよ。え?地球人じゃないのに出来るの?そんな細かいとこは気にしてはいけない。兎にも角にもバーバラレラをエロい目に合わせたい。その為には多少の脚本の雑さも気にしない。というある潔さを感じる場面が非常に多かった印象です。

ただ、これだけ聞くとねっとりと男女の営みを延々と見せられている様な印象が受けられるんですが、爽快なBGMと、エロい目には合わせたい癖にいざエロい事が始まるとスパッとシーンを移行するスピード感。プロの変態の所業と認めざるを得ません。終わりは急にストンと落とされますが、テンポよく進むので「まぁいっか!」と許せる…そんな作品でした。
一条和馬

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